AV機器メーカーが電気圧力鍋を開発、大ヒットの秘密は「なんでもできる」の廃止家電メーカー進化論(3/7 ページ)

» 2021年03月17日 07時00分 公開
[倉本春ITmedia]

価格? デザイン? それとも機能? 複数ブランドでのイメージ戦略

――ピクセラの子会社として白物家電メーカーのA-Stageが誕生したわけですが、今回さらに「Re・De」という新しいブランドを作ったのはなせでしょうか。

 A-Stageの製品は、デザイン性とコストパフォーマンスが高く、手に取りやすいのが特徴です。そのため、1人もしくは2人暮らしといった層に人気があります。そこへ我々の技術力をアドオンした場合、A-Stageよりも高付加価値な製品を作ることができると考えた結果、新ブランドを立ち上げました。

――ピクセラはもともと液晶テレビなども販売していましたが、すでに認知度のあるブランドに生活家電事業を統合する案はなかったのでしょうか。

 ピクセラブランドの主なファン層は、50代前後でガジェットや黒物好きという男性層です。そのためデザインや使い勝手といった体験価値よりも、機能を重視する傾向がありました。この既存ファンとは全く別のターゲット層を、新たに開拓していきたいということで、新しいブランドを立ち上げました。

 もちろん、今までの経験や知見を捨てるというわけではなく、培ってきた技術力を裏側に随時搭載していくことで、ブランド力を上げていくことを狙っています。ですので、同じ家電でも「A-Stage」と「Re・De」のブランドの差別化は明確で、「A-Stage」はリーズナブルでデザイン性が高い、誰もが手に取りやすいジェネリック家電を、「Re・De」はピクセラとの協業による、ライフスタイルを提案できる高付加価値家電を開発・販売していきます。

Re・Deブランドでは、高付加価値家電のほか、ライフスタイルの提案も行っていくという(Re・Deのホームページより)

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