リクルートは飲食店向けのPOSや決済サービスのAirブランドを冠した法人向けのクレジットカード「Airカード」を1月に提供開始した。最大の特徴は、1.5%という法人カードの中では際立った還元率だ。
なぜ今法人カードに参入するのか? その狙いをリクルートでAirビジネスツールズの責任者を務める林裕大氏に聞いた。
現在リクルートは、飲食店などの小規模店舗向けに無料で使えるPOSレジアプリ「Airレジ」を提供している。国内に中小店舗が300万社ほどある中で、53.6万件(2020年12月末)に導入されているサービスだ。
このAirレジを中心として、受付管理アプリ「Airウェイト」、店舗の予約管理をシンプルにする「Airリザーブ」、カードや電子マネー、コード決済、ポイント決済に対応した決済サービス「Airペイ」など、複数のサービスAirビジネスツールズとして提供している。
Airカードが想定するユーザーは、Airレジの利用者と重なる。「Airビジネスツールズを提供する中で、煩わしさを減らしてほしい、その中で自分らしいお店作りをしてほしい」。林氏は、Airカードを提供する狙いをこのように話す。
実は小さなお店になるほど、事業と家計のお金を分けて管理できていないのが実態だ。事業にかかわるモノを買ったときも、個人のサイフから出ることが多く、実際に事業にかかったコストを明確に知ることが難しい。
昨今、これを解決する方法として注目されているのが法人カードだ。事業にかかる経費を法人カードで支払うことで、明確に事業と家計の費用を切り分けられる。さらに、昨今普及し始めているクラウド会計ソフトと法人カードを連携させれれば、確定申告も容易だ。
となると、Airカードもリクルートが提供する会計ソフトと連携するのかと思いきや、実はリクルートは会計ソフトを提供していない。現状では、Airカードは店舗経営者のためのカードではあるが、他のAirサービスとはつながっていない状況だ。
林氏は、「財務会計や確定申告のためには会計サービスを使うのがいい」とした上で、今後の狙いを次のように話した。
「現在、Airレジ、Airペイで現金、非現金の売り上げがどのくらいあるかは、リアルタイムで把握できる。売り上げだけでなくコストも把握でき、今いくらもうかっていて、いくら使っているのかを、手元でリアルタイムで見られるといい。これからどういう粒度で、どういう見せ方をするといいのか検討しながら、機能を検討していく」
売り上げの把握に続き、Airカードを切り口に、コスト管理も一体で管理できる経営ツールの提供を検討しているということだ。
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