金融機関のデジタル活用〜デジタル活用のヒントを探る〜
ニュース
» 2021年03月23日 18時38分 公開

後払いは「利用金額を把握しやすい」のか? 利用者と非利用者で認識ギャップ

品物やサービスを購入した際に、あとで支払いを行う「後払い」サービスの利用が拡大している。矢野経済研究所の調査によると、2022年には1兆3500億円まで拡大する見通しだ。しかし、ニッセイ基礎研究所が調査したところ、後払いの利用者と非利用者は意外な認識ギャップがあった。

[斎藤健二,ITmedia]

 品物やサービスを購入した際に、あとで支払いを行う「後払い」サービスの利用が拡大している。矢野経済研究所の調査によると、2022年には1兆3500億円まで拡大する見通しだ。

しかし、ニッセイ基礎研究所が調査したところ、後払いの利用者と非利用者は意外な認識ギャップがあった。

ニッセイ基礎研究所 生活研究部の久我尚子主任研究員

後払いは「利用金額を把握しやすい」のか?

 調査によると、後払い決済サービスを利用したことのある人は23.3%。そのうち、後払いを利用する理由としてトップとなったのが「支払うタイミングを調整できるから」(47%)だった。

 興味深いのは、利用する理由の3位と、利用しない理由の2位に、同じ「利用金額の把握」が入ったことだ。利用している人は「利用金額を把握しやすい」(23.3%)ことをメリットとして挙げ、利用していない人は「利用金額を把握しにくい」(27.8%)ことをデメリットとして挙げた。

「利用金額の把握」に関する認識ギャップ(メルペイ委託によるニッセイ基礎研究所調査)

 利用していない人は金額が把握しにくいと思っているが、実際に利用してみると把握しやすい。そんな認識ギャップが明らかになった。 

 ニッセイ基礎研究所 生活研究部の久我尚子主任研究員は「利用者は金額を把握しやすいのでうまく使っているが、非利用者にもそのメリットが伝わっていくと不安が払拭(ふっしょく)されるのではないか」と話した。

クレジットカードではダメなのか?

 後払いサービスの中で、二強といえるのが、ネットプロテクションズが提供する「NP後払い」とメルペイが提供する「メルペイスマート払い」だ。認知、利用ともに最も高いのが、受け取った請求書をコンビニに持っていって支払えるNP後払い。2位は、メルペイの残高を使って後払いできるメルペイスマート払いだ。

NP後払いの認知、利用が年齢が上がるにつれて増えるのに対し、メルペイスマート払いは若年層の利用や認知が高い(メルペイ委託によるニッセイ基礎研究所調査)

 では、どんな人が後払いを使っているのか。メルペイの山本真人COOは、後払いサービスに関して、「クレジットカードがあれば十分なんじゃないか?」と思いながら海外事例を調査したという。ところが実際には、「実態は、クレジットカードを持てない、持っていても枠がそれほど十分ではない、分割払いをすると手数料が高い」といった理由で、後払いサービスを使っていることが分かったという。

 しかし日本では、後払い利用者のうち69.3%がクレジットカードも保有している。

 利用金額で見ると、平均月間利用金額はクレジットカードが1万〜3万円、後払いは3000円未満が多く、決済する内容によって支払い手段を使い分けているようだ。その多くが、「日常の生活必需品などの買い物」に後払いを使用しており、少額決済が多い状況だ。

 市場の伸びが想定される後払いサービスだが、現状利用者の継続利用意向は高くない。現金(65.5%)、クレジットカード(60.5%)、QRコード(52.5%)に比べ、後払いは36.5%にとどまった。

後払いサービスの継続利用意向は36.5%。非利用者の利用意向は3.3%にとどまった(メルペイ委託によるニッセイ基礎研究所調査)

 メルペイの山本氏は「どこでもいつでも簡単に使える安心感は、現金やほかのサービスに比べてまだ低い」とし、認知の拡大とともに利用可能な場所を増やしていくことが重要だとした。メルペイは、アプリ内でバーチャルクレジットカードを発行する機能を3月8日に提供開始している。これにより、ECなどで後払いサービスが利用可能になり、利用場所を広げていく考えだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間

    Digital Business Days

    - PR -