ジーユーがベビー服市場に参入 西松屋や赤ちゃん本舗の牙城を崩せるか磯部孝のアパレル最前線(4/4 ページ)

» 2021年03月24日 05時00分 公開
[磯部孝ITmedia]
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圧倒的な集客力で他サイズとのまとめ買いが利点

 以上の流れから見て、ユニクロ、ジーユーのベビー服市場への参入といっても取り扱い品種は限定的。先行するユニクロのベビー服への本格的な取り扱いスタートが02年だから、かれこれ20年近くになる。

 カテゴリー別に専門特化を進めるユニクロとして、現在の売上高663億円は国内トップの赤ちゃん本舗(20年2月期 売上高967億円)や、西松屋(同686億円)に次ぐ規模だが、取り扱い品種は先の専門店と比較してもかなり少ない。それでもこれだけ売り上げを作れる要因は、圧倒的な集客力にある。ベビー目的の来店より、他サイズとのまとめ買いメリットによるものだと思う。

画像はイメージ

 さて、ジーユーにユニクロ並みの集客力がついているか。国内有数の集客力はあるが、メインターゲットとしている層とのミスマッチが危惧される。市場規模1兆円弱という器の中でベビー市場は特異で専門性が求められる市場なだけに、考えているほど簡単な市場ではない。それだけに、ユニクロ式に集客数を伸ばしていくのか、ベビー服に専門特化していくのか。今後の展開手法に注目したい。

著者プロフィール

磯部孝(いそべ たかし/ファッションビジネス・コンサルタント)

1967年生まれ。1988年広島会計学院卒業後、ベビー製造卸メーカー、国内アパレル会社にて衣料品の企画、生産、営業の実務を経験。

2003年ココベイ株式会社にて、大手流通チェーンや、ブランド、商社、大手アパレルメーカー向けにコンサルティングを手掛ける。

2009年上海進出を機に上海ココベイの業務と兼任、国内外に業務を広げた。(上海ココベイは現在は閉鎖)

2020年ココベイ株式会社の代表取締役社長に就任。現在は、講談社のWebマガジン『マネー現代』などで特集記事などを執筆。


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