そして専門性を要する部分、それは赤ちゃんの成長スピードの速さにある。個人差を前提として、生まれたての赤ちゃんの平均身長が約48.5センチ、それが1歳になるころは約73.1センチになる。1年間で約25センチ成長するのだから、肌着、おしめカバー、洋服だって月齢サイズに応じた商品が必要になる。
そこに当然、季節性という寒暖差に応じた素材選びを加えなければならない。しかも初めての妊娠であれば分からないことや不安に感じることも多いはず。そんな悩みを解決してくるのが専門店の存在となる。
百貨店にテナントとして入居するベビー服専門店はもちろん、セブン&アイグループの赤ちゃん本舗(大阪市)は、出産前に必要なマタニティーウェアや産前産後用インナーなどを取りそろえるほか、妊活サポートにも取り組んでいる。この赤ちゃん本舗やイオンリテールが展開する「キッズリパブリック」では、ほぼワンストップでベビー関連用品をそろえられるようにしている。
商品の品ぞろえでいくと西松屋、しまむらグループのバースデイが低価格を前面に打ち出している。どちらも妊活、産後をサポートするより安価な物販に徹した印象がある。特にバースデイの急伸に注目したい。15年の売上高312億円、店舗数174店が、20年では売上高540億円、297店舗と着実に伸ばしている。バースデイの成功で特筆すべきは、本体のしまむらとは異なり、プライベートブランドで成功しているという点だ。
その代表ブランドが「tete a tete(テータテート)」。ベビー、子供服が持つ特有の可愛らしさを世界観としてまとめている。その世界感はファッションビルに出店する専門店の雰囲気に近く、それでいてプチプラで提供されている点が人気の理由だ。しまむら本体の売上母数に隠れて目立たないものの、少子化が進むベビー服市場においては増々存在感が増している。
開店1カ月目で黒字達成 「24時間無人」の古着店 店員不在でも支持されるワケ
4月から「税込表示」が義務化 ”税別”のユニクロは実質値下げ? アパレルが逃れられない呪縛
赤ちゃんに人気アイドルと同じ名前を 20年下半期「NiziUネーム」が急増
作業着を置かない店を増やすのは「職人を守るため」 ワークマンが考える店舗戦略
ジーユーがベビー服の販売を開始へ ファッション性と実用性を合わせた商品を低価格で提供Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング