今や水泡に帰した感のある「横浜カジノ」について筆者はずっと否定的な考えをもっていた。横浜は観光エリアが東京都内と比べものにならないほど狭い。横浜市の試算ではIR(カジノを含む統合リゾート)ができれば京都を超える5000〜7000万人の観光客を集められるというが、もし本当にそうなったら経済効果の前に観光公害がすさまじいことになる。山下埠頭のように交通の便が悪いところに観光客を集中させたら阿鼻叫喚の地獄絵図になる。
そこに加えて、「横浜カジノ」は東京都民への不公平感がハンパない。羽田空港の機能強化で、もしコロナがなければ東京上空は外国人観光客の乗った飛行機がひっきりなしに飛ぶことになっていた。そんな感じでやって来た大量の外国人観光客が、そのまま羽田から京急で山下埠頭のカジノへ行ってしまうことになったら、東京都民から「オレたちは横浜の経済効果のために騒音を我慢しなくちゃいけないのか」なんてクレームが入るだろう。
ということを言って、「横浜カジノ」に反対していたのだが、そうすると決まって政府の高官や、横浜財界の人たちから「分かってねえなあ」という顔でこんなことを言われたものなのだ。
「いや、気持ちは分かりますが、もう横浜で決定なんですよ。菅さんと京急がいるので」
要するに、これからカジノ候補地を決めるなんてのは建前で、横浜はもう既に「内定」している。山下埠頭への交通インフラに関しても、「菅系企業」の京急が進めることが内々に決まっているので、もはやこれは誰にも覆すことができないというのだ。
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