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» 2021年04月22日 07時00分 公開

スピード経営で知られるアイリスオーヤマ、問題発生のたびに躍進できたワケ家電メーカー進化論(1/5 ページ)

アイリスオーヤマは、コロナ禍でもマスク生産拠点をいち早く国内に構えるなど、スピード経営を実践し続ける企業の1つ。アイリスオーヤマ 代表取締役社長 大山晃弘氏に、時代の流れに素早く対応するスピード経営の秘訣と、時勢を見極める製品展開、今後の事業構想について話を聞いた。

[倉本春,ITmedia]

 アイリスオーヤマといえば、他にはない機能やリーズナブルな価格帯の家電で人気のメーカー。加えて注目を集めるのが、同社のスピード経営だ。今回のコロナ禍においても、マスク生産拠点をいち早く国内に構えるなど、時代の流れに素早く対応して高い評価を得た。

 アイリスオーヤマのスピード経営と、時勢を見極める製品展開はどこから来るのか。アイリスオーヤマ 代表取締役社長 大山晃弘氏に話を聞いた。

アイリスオーヤマ株式会社 代表取締役社長 大山晃弘氏。1978年生まれ。2003年にアイリスオーヤマ米国法人(IRIS USA)に入社。10年にアイリスオーヤマ入社、18年7月に代表取締役社長に就任

「伴走方式」と担当者裁量で実現するスピード経営

――今や「スピード経営」の代名詞ともいわれるアイリスオーヤマですが、他社よりも開発などの時間を短くできたのでしょうか?

 確かに、当社の開発スピードは早いと思います。スピード化を図るためにしたことは、開発は時間がかかるという前提の下、「純粋な開発」以外を短縮ししていきました。まず意思決定のスピードが早いですし、スピーディに開発できるよう、仕組み化も行いました。

 この仕組みは「伴走方式」と呼ばれるプロジェクト進行で、プロジェクトを「やる」と決めるたら、関連部署が一斉に立ち上がり、開発や品質管理、生産などの複数部門が同時並行的に物事を進めるというものです。一般的には、企画が決定したら開発・設計部門へプロジェクトを手渡し、設計がある程度固まったら生産や品質管理に部門へプロジェクトを渡す、といったリレー方式を採用するため、スピード化がしにくいと言えると思います。

 スピード開発でのもう1つの秘訣(ひけつ)が、開発者の裁量の広さです。一般的な開発部門では、設計者は設計だけ、さらに言えばモーターの設計だけ、回路の設計だけと、非常に狭い範囲だけを担当する場合が多い。しかし当社では、開発が企画を考えますし、設計も広範囲に担当します。さらには製造にも関わり、品質もチェックする。

 1つの製品が世に出るまで、ほぼすべての責任を設計者が持つことになるのです。責任と一緒に裁量もありますから、現場での判断も迅速に行えます。アイリスオーヤマが年間約1000アイテム近い新製品を出せるのも、このスピードあってこそです。

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