それにしても、なぜそんなに人を引きつけているのか。米タワーレコードのダニー・ザイダルCEOは、「私たちが市場調査をしたところ、基本的に多くの若者たちが、レコードを手にして、1人の時間だったり、落ち着いた時間を過ごすのに、アナログレコードを聴いていることが分かった。スマホなんかはどこかに置いて、レコードを聴いて、リラックスしているんだよ」とメディアで語っている。
つまり、デジタル機器に囲まれた生活の息抜きに、レコードを聴く若者が増えているらしい。
確かに、デジタル化された配信音楽は雑音がなく、非常にきれいでハイクオリティーの音質を楽しむことができる。筆者もよく利用しているのでその便利さはよく分かっているが、どこか違和感を覚えることがある。アプリが提供する大量の曲の中から次々と引っ張り出してきて、いうなれば機械的に音楽を“消費”しているだけなのかもしれない。
そんな音楽の「大量消費時代」に埋もれてしまっている中で、レコードの「アナログさ」が人々をリラックスさせるのは理解できる。デジタルネイティブの若者なら、なおさらその不器用さからくる隙に癒しを感じるのかもしれない。ザイダルCEOの「リラックスのため」という分析には妙に納得させられる。
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