さらにこんな背景もある。米国労働者の3分の2が大学を卒業していない。そのため、募集条件を「大卒」としていても、そのポジションが埋まらないケースが130万件もあるという。
最近注目されているのが、訓練プログラムや職業訓練である。そうしたプログラムから大手企業に就職する仕組みも生まれている。例えば、マサチューセッツ州ボストンに本社を置くNPOで、訓練プログラムを提供している「イヤーアップ」。同NPOが手掛けるプログラムが評価されて、多くの大企業と提携を結んでいる。結果、大学を卒業していない人でも大企業に就職することができるように。またインターンシップ制度も導入していて、企業で働く人とのコネクションを作る機会も提供している。
イヤーアップのプログラムをみると、大学で学ぶようなビジネス分野の基本から経営のほかに、ITに関する知識も教えている。すぐにでも働けるような人材を育成することで、企業も採用に躊躇(ちゅうちょ)しなくなっている。
さらに、オンライン上で職業訓練を受けるサービスも注目されている。受講するのに学歴は関係ないので、そこできちんと学べば大卒と遜色(そんしょく)のない会社で働くことができるという。
企業も外部向けに訓練プログラムを提供している。例えばグーグル。同社も、独自に6カ月のオンラインの訓練プログラムを用意していて、学歴は関係なく参加できるので、そこでグーグルの関係者とコネクションを持つことも可能だ。同社はこうしたエコシステムをつくって、人材を発掘しようとしている。
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