偏差値70! “いい会社”で働くために、「大卒」の学歴は必要なのか世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)

» 2021年04月29日 08時30分 公開
[山田敏弘ITmedia]

大卒以外も積極的に採用

 NBCのニュースによると、大手金融機関のJPモルガンやバンク・オブ・アメリカ、大手ネット通販のアマゾン、SNS大手のフェイスブックやツイッターも、大卒だけでなく、高卒の人材も積極的に採用しているという。

 そこでいろいろリサーチしてみると、確かにそんな動きが出ているようだ。例えば、アップル。従業員の半数が大学を卒業していないという。新型コロナがまん延する前の2019年に、同社のティム・クックCEOは米ホワイトハウスを訪れて次のように語っている。

 「私どもの会社は、ご存じの通り、大学からドロップアウトした人が創業した。そんなことから、アップル社で活躍するのには大学卒業である必要はない。常に視野を広げようとしています」

 クックはさらにこうも語っている。

 「2018年にアップルが雇った人の半分は大卒ではない」

 ビジネス特化型のSNSであるリンクトインによれば、グーグルの親会社であるアルファベットも、学歴よりも能力を重視していて、関係企業の募集要項でも多くが、大卒か「それに見合う経験」があればいいとしている。

グーグルでもスキルの高い学生を採用しているという(出典:ゲッティイメージズ)

 IBMも17年の段階ですでに、社員の15%は大卒ではないことを明らかにしている。その代わりに、コーディング系の訓練プログラムや職業訓練学校などで学んだ人たちを雇い入れたいとしていた。特にIT企業は、技術力や発想力がものをいうので、どこの学校に行ったのかはあまり重要ではないのだろう。コロナ禍の前から、多くの米企業で同じような認識が広がっていたようだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.