偏差値70! “いい会社”で働くために、「大卒」の学歴は必要なのか世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

» 2021年04月29日 08時30分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 日本では学生が就職する際に「学歴フィルター」というのがよく話題になる。

 就活の際に出身大学が採用に影響を及ぼすとして、主に偏差値の低い学校は就職に不利だと言われている。実際、多くの企業は就職希望者がどこの大学を卒業したのか、学歴はどうなっているのかを参考している。

 同じような話は、米国でも存在する。新規採用の約7割は、「大学卒業が条件になっている」と言われているが、超名門大学となると、企業などがキャンパス内外でイベントなどを行って学生を“青田買い”する。そして採用を始めた段階で、すでにやりとりをしている学生にその枠を与えるのだ。

米国でも「学歴フィルター」は存在しているが……(出典:ゲッティイメージズ)

 というわけで、トップクラスの大学以外の学生がそうした企業に応募しても、ほとんど相手にされない。例えば、大手金融機関、コンサルティングファーム、法律事務所などは、“青田買い”で優秀な学生を確保しているのだ。

 そんな米国で最近、興味深いニュースが報じられている。米テレビ局のNBCがニュース番組のなかで、「大学に行く価値があるのか」を取り上げたことで話題になっている。筆者も先日、米国人の知り合いと話をしている際に、このニュースの件が話題になった。なんでも、最近、米国の大企業が大学を卒業していない人たちを積極的に雇っているという。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、米国では大量の失業者を出しているが、ここ数年、大学を卒業していなくても大手企業に就職できる人が増えてきたという。世界的な企業を多数生み出している米国の就職戦線で、どんな変化が起きているのか。

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