3年で2.4倍の売上高 ラクスのSaaS最強決算(6/7 ページ)

» 2021年05月18日 05時00分 公開
[早船明夫ITmedia]

新中期経営目標でアプローチ変更

 今回のラクス決算の最大の目玉は、新たに公表した22年3月期をスタートとする5か年の中期経営目標だ。

 3つの項目が掲げられているが、最重要は(1)の5か年売上高CAGR(年平均成長率)25%〜30%だ。この目標が達せられる場合、5年後の26年3月期の売上高は(下限の25%成長とした場合)470億円となり、(2)と(3)の達成可能性も高まる。

 連続的なSaaS立ち上げ力を強みとするラクスだが、今までとは大きく異なったアプローチをとる可能性を公表資料の中で示している。

利益を減らしても成長速度を上げていく

 1点目は過去にない水準で行う先行投資だ。

 ラクスが公表している22年3月期第2四半期までの業績予想では、上述の「利益を出しながらの成長」路線を少し修正し、先行投資を思い切って増やす計画に変更している。人員増強並びに広告宣伝費の増加の内訳を併せて開示しているが、昨年に大きな伸びを見せた「楽楽明細」の成長をより加速させにいっているよう見受けられる。

 このアクセルの踏み方は従来のラクスには見られなかった勝負の仕方であり、それぞれのプロダクトにおいて、どの程度まで成長率を伸ばすことができるか、次回以降の決算に注目が集まる。

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