具体的な取り組みとして、デジタル庁内にブロックチェーン担当官の設置や、ブロックチェーン特区の積極的支援、マイナンバーと民間IDの接続プラットフォームとしての利用を要請した。
特に注目されるのがブロックチェーン担当官だ。「これまで担当官がいなかったので、横串で相談したくても省庁ごとにたらい回しになることもあった。担当官がいれば、ブロックチェーンについては金融、非金融かかわらず調整してもらえる」
ブロックチェーンは改ざんされにくい、透明性(トレーサビリティ)があるといった利点があることから、サプライチェーン内で商品や部品の在庫、出荷を管理することと親和性が高い。しかし、取り扱うものが農産物なら農水省、海運サプライチェーンなら国交省などと、監督省庁が異なる。また、活用事例が出始めている株主総会でのブロックチェーン活用なら所管は法務省や経産省になる。こうした複数の省庁をまたがる内容に関して、横串で調整する機能として担当官に期待を寄せた。
2017年の仮想通貨バブルは日本が主導で起こったといわれる。その崩壊とともに起こったコインチェックからの大規模流出事件を機に、当時は先進的ともいわれた規制を世界に先駆けて設けた日本。しかし、DeFiなどの新潮流が出始めてくる中で、「日本の規制が厳しくて各国に取引が流れている状況がある。日本だけが取り残されないような規制のあり方を考えなくてはいけない」(事務局長を務める⼩倉將信衆議院議員)状況に陥っている。
ブロックチェーンといえば仮想通貨であり、仮想通貨といえば流出事件、そして投機対象といった見方が強い日本。国を挙げてブロックチェーンを活用した取り組みを進める諸外国に追いつけるかどうかが問われる。
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