同社の東南アジア地域における売上高は低迷しました。一方、北米、欧州、東アジア地域における海苔巻きロボットなどの販売回復が進み、海外売り上げは前年実績を上回りました。
国別のシェアを見ていくと、東アジア31.1%、北米29.7%、欧州18.2%、東南アジア10.5%、その他地域が10.4%です。
同社では握ったシャリを自動でテークアウト用の寿司トレーに並べるロボットも開発・販売しています。このロボットを使うと、1時間に最大4200貫ものシャリをテークアウト用寿司トレーに並べられます。これは人間の手仕事では到底できない技。コロナ禍に伴う巣ごもり需要で、回転寿司チェーンのテークアウト寿司や、スーパーマーケットの寿司カテゴリーの売り上げが増加しました。そのため、こうした最新機器の設備投資需要も増え、同社の国内売り上げを大きくけん引しました。
国内のテークアウト寿司需要の拡大については、大手回転寿司チェーン「スシロー」を展開するFOOD&LIFE COMPANIESの業績からも見てとれます。
FOOD&LIFE COMPANIESの21年9月期第2四半期決算(20年10月〜21年3月)を確認すると、売上高は前年対比で110%の伸び率となっています。テークアウト&デリバリーの売り上げは、昨年の緊急事態宣言下においては前年の3倍以上、21年3月においても対前年比150%と大きく伸びています。
1年間で13億皿以上の寿司を提供しているスシローは、鈴茂器工と共同開発した寿司ロボットを使っています。シャリの内部に空気を含ませることで、口の中でほどける食感を実現しています。また、ヒーターによって人肌にシャリをあたためたり、職人が握った際にできるシャリ玉の下部の凹みを再現したりする機能などがあります。このように、職人が握った状態を最大限に再現するための工夫が随所にみられます。
スシローでは、シャリロボの他にも軍艦巻きロボ、細巻きロボなど1台150万円〜250万円する寿司ロボットを3種類以上も店舗に導入しています。
また、スシローは回転寿司以外にも駅ナカ、駅ビルなどにテークアウト専門店を出店したり、大衆寿司居酒屋「杉玉」の店舗拡大を計画したりしています。
大衆寿司居酒屋業態に関しては、コロナ禍においても他の居酒屋業態と比べて売り上げの落ち込みが少ないことから、スシロー以外の外食企業の参入も増加しており、これからますます寿司ロボットの需要は増加していくことが予想されます。
実は、コロナ禍前から寿司ロボットの市場規模は伸び続けています。ここで外食産業におけるロボット普及の理由について考えていきます。
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