攻める総務

総務も“勝手にジョブ型”を実践する 「リモートワークに向いていない」からの卒業総務のための「オフィス」再考(1/3 ページ)

» 2021年06月07日 07時00分 公開
[金英範ITmedia]

連載:総務のための「オフィス」再考

 これまでの連載では、オフィスのレイアウト変更、サードプレースの選び方などを紹介しました。今回は、総務業務の“ジョブ型化”に関する話です。

 IT部門や経理、法務、人事など企業のバックオフィス業務は、既に専門分化され、個々のジョブも見えやすくなってきました。例えば、IT部門や人事のジョブは図1のように、大抵の会社では分かりやすく整理され、カテゴリーに基づいたジョブディスクリプションが明確になりつつあります。

 ジョブが明確化すると、時間管理や進捗(しんちょく)報告の必要性がない、期間ごとの成果型に移行していきます。リモートワークでも、いちいち上司が部下の業務を監視したり、「サボっていないか?」など余計な心配をしたりせず、定期的に成果を見て判断できるようになります。これは、社員にとっても自分の時間をコントロールしやすく、結果的に生産性が上がるでしょう。

photo 図1:人事やIT部門のジョブカテゴリーの例=筆者作成

 一方で、社内で“何でも屋”といわれる総務はどうでしょうか。リモートワークの環境が整い、在宅勤務率80%以上を達成している会社でも、出社を余儀なくされるのが総務です。メール便の配送や請求書の処理、オフィスのレイアウト変更など、実務的な理由もあり、“在宅に一番向かないジョブ”といっても過言ではありません。そのような総務の業務をジョブ化し、その成果を見える化するのは至難の業です。

 以前、本連載で「総務業務36種マップ」(図2)を紹介しました。総務の業務は基本的に「どの部門にも当てはまらない業務が回ってくる」上に、会社によって多種多様です。結果的に「出社してしまったほうがいい。頑張っていることも伝わるし、成果も見えやすい」となってしまいます。

photo 図2:総務業務36種マップ=FOSC(ファシリティオフィスサービスコンソーシアム)の資料より

 この最悪の状況を打破するには、どうすればよいのでしょうか。

 筆者は提言します。「勝手にジョブ型化」を実践すること。これに尽きると思います。どういうことでしょうか。

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