コロナ禍で「銀のさら」絶好調 創業社長が語る“稼ぐ”仕組みとライバルが淘汰された背景長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)

» 2021年06月15日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]
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自動運転が普及すれば高収益体質に

 銀のさらは、来客時やお祝い事を想定したアッパーミドルのブランドで、顧客は40〜50代が中心だ。それに対して、15年から「すし上等!」という、20〜30代に向けた日常使いができる第2ブランドを立ち上げた。

すし上等!で人気の「ウルトラ特上1人前」1404円(出所:ライドオンエクスプレスHD公式Webサイト)

 04年からは宅配釜めしの「釜寅」も展開している。3ブランドの複合店舗は110店程度ある。配送するバイクは共通で、注文するサイトや電話番号が異なっている。

 つまり、銀のさらだけでなく、すし上等!や釜寅も同時に運営しているわけだ。しかも、自前の配達網のみならず、出前館なども使っている。同じ拠点で複数の業態を運営して、デリバリーのルートが幾つかある、ゴーストレストランのスタイルに近づいてきている。

ファインダイン。デリバリー専門のブランド(出所:ライドオンエクスプレスHD公式Webサイト)

 デリバリー専門のファインダインも経営し、アフターコロナへの準備は万全に見受けられる同社。しかし、江見社長は自動運転が一般化するであろう、十年後を楽しみにしている。配送に掛かる人件費が大幅に削減され、高収益体質に脱皮できるからだ。

「銀のさら」吟(ぎん)5人前(提供:ライドオンエクスプレスHD)
「銀のさら」のチラシ
銀のランチセット 握りセットBとうどん 950円
銀の店舗外観(提供:ライドオンエクスプレスHD)

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。


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