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» 2021年06月15日 05時00分 公開

コロナ禍で「銀のさら」絶好調 創業社長が語る“稼ぐ”仕組みとライバルが淘汰された背景長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)

宅配寿司「銀のさら」が好調だ。創業社長は「ウーバーは脅威ではない」「宅配寿司が宅配ピザより難しい」と熱弁する。どういうことかというと……。

[長浜淳之介,ITmedia]

 宅配寿司「銀のさら」を全国展開する、ライドオンエクスプレスホールディングス(HD)が好調だ。

 2020年3月期の決算(連結)は、売上高253億8400万円(前年比20.7%増)、経常利益24億3000万円(同84.9%増)となり、過去最高の売り上げと利益を更新した。

 新型コロナウイルスの影響による外出の自粛や在宅勤務の普及、飲食店の営業縮小などにより、消費者からの需要が増加した効果が顕著であった。

知名度やブランド力は群を抜く

 もともと、寿司には出前の文化があり、「スシロー」「無添くら寿司」「はま寿司」「かっぱ寿司」といった4大チェーンに代表される回転寿司もデリバリーを強化している。一方、宅配寿司における銀のさらの知名度、ブランド力は群を抜く。その強みが存分に発揮された。

ウーバーは脅威でない

 富士経済「外食産業マーケティング便覧2020」によれば、宅配寿司の市場で同社が占めるシェアは52.3%と半数を超え、圧倒的な地位を築いている。

 日本ではコロナ禍になって、非接触性の高さからフードデリバリーに注目が集まった。自前の配送機能を持つ宅配寿司やピザとともに「ウーバーイーツ」や「出前館」といったフードデリバリー専門の業者が脚光を浴びている。米国や中国、韓国では、IT革命の進展により、スマートフォンで簡単に多種多様な料理を自宅に届けてもらえるようになった。その便利さから、コロナ禍以前からフードデリバリーがブレークしていた。

 日本でも、高齢化、女性の社会進出、核家族化、スマホの普及などを背景に、アフターコロナでもフードデリバリーの市場は堅調に伸びていくと推測される。

 ライドオンエクスプレスHDは、08年に宅配サービスを手掛ける「ファインダイン」を買収し、ウーバーイーツ型のギグエコノミーにもトライしてきた。その結果、ギグエコノミーは銀のさらにとって脅威ではなく、ビジネスのパートナーだと結論付けるに至った。

 「出前館のようなポータルサイトや、ウーバーイーツやウォルトをはじめとするギグエコノミーが出てきて、銀のさらの販売窓口や配送の足回りがそれだけ増えたということ」と、同社の江見朗社長はアフターコロナの事業見通しに自信を見せている。

 国民食である寿司の国内市場は1.7兆円近くあって、焼き肉の約5000億円より大きい。ところが、宅配寿司のシェアはそのうちのまだ3%程度だ。成長の余地は十分で、斯界のトッププレーヤーである同社への期待は大きい。

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