スタートアップ企業と組込型金融に注力 第二創業うたうGMOあおぞら銀の新戦略(1/2 ページ)

» 2021年07月06日 18時30分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 創業から4年目を迎えたGMOあおぞらネット銀行が、第二の創業を打ち出した。7月6日に行った事業戦略発表会では、従来の戦略を転換し、起業直後のスモール&スタートアップ企業へのフォーカスと、組込型金融に注力することを掲げた。

金子岳人会長(左)と山根武社長(右)

 当初、法人向け決済とGMOクリック証券との連携で、この分野のナンバーワンを目指すとしていたが、こちらは断念。「両面作戦は、当社の経営資源ではなかなか難しい。そこまでの体力がまだない」(山根武社長)ことから、現在の強みを生かす戦略に切り替える。

 一つは、月間1万社が新たに生まれるという創業間もない企業の銀行となることだ。手数料の安さなどからスタートアップ企業の最初の銀行として利用されることが多く、「新規口座の6割強は、創業1年以内の会社」(山根氏)だという。

 昨今、新規法人の銀行口座開設の難易度が増しており、なかなか口座が開けないことが多いが、「丁寧に会話をしながらなんとか口座を開設できるように努力をしてきた。じわじわと評判が広がって創業直後の企業からの支持を得た」(山根氏)

 この強みを生かすために、創業直後の企業にニーズがある新サービスも7月12日に開始する。1つは「あんしん10万円」機能だ。これは、口座残高が不足した際に自動的に10万円まで融資を行うもの。意図せぬ引き落とし不能などのリスクに対処できるという。金利は14%だが9月30日までは無料とするキャンペーンを行う。

 2つ目は「入出金管理アプリ」の無料提供だ。GMOあおぞらネット銀行に限らず、登録した口座の状況を一元管理できる法人向けのアカウントアグリゲーションサービスとなる。こちらはfreeeと連携して提供する。

起業直後のスモール&スタートアップ企業にフォーカスする

 「ITベンチャーが数多く生まれる渋谷発の銀行として、起業する人たちを支援したい」(山根氏)と、この分野への意気込みを見せた。

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