わずか3日で完売! ミズノ×マツダの「ドライビングシューズ」は、どんな特徴があるのか週末に「へえ」な話(4/4 ページ)

» 2021年07月11日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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競泳用水着に着目

 では、次の課題である。クルマを運転するときには、足首でペダルを踏み、ペダルを戻すときにはつま先を上げなければいけない。この一連の動作をスムーズにするには、どうすればいいのか。開発チームは、水着に着目する。

 水中で泳いでいると、自然と太ももが下がってくる。下がってくると、水の抵抗が増すので、タイムを伸ばすことが難しくなる。この問題を解決するために、競泳用の水着には姿勢制御技術が施されていて、なるべくよい姿勢を保てるようにしているのだ。開発チームはその技術を応用すれば、うまくいくのではないかと考え、水着の素材を採用。つま先を引き上げる動作をサポートし、ペダルの踏み替えや踏み込み量の調整をしやすくしたのだ。

踏みかえをスムーズにする「ラウンドソール」

 このほかにも、さまざまな点を改良しながら、何度も試作品をつくった。通常、試作品は4〜5回が多いようだが、今回のシューズは30回ほどつくったという。

 商品の価格は、3万9600円。ちょ、ちょっと高い気もするが、マツダのクルマを購入するときに「ご一緒に、シューズはいかが?」といった営業をすれば、そこそこ売れるのかもしれない。購入金額が350万円であれば、そこに4万円弱を追加しても、「ま、いいか。記念に一足」と考える人を狙っているかと思いきや、そーしたことは行わないそうだ。いや、行う必要がない。

 冒頭でもご紹介したが、商品はクラウドファンディングサイト「Makuake」を通じて販売している。当初、1100足の販売を目指していたが、あっという間に完売。ただ、ミズノの規模を考えると、この数字はかなり少ない。まずは販売してみて、お客の反応をうかがう姿勢だったが、関係者の予想を上回る反響だったことから、現在「追加販売(250足)する方向で」準備しているそうだ。

運転は足元から

 既存の技術を組み合わせて生まれたシューズは、新しい市場を創り出そうとしている。担当者は「ロードスターに乗っている人をメインターゲットにしたい」と言っていた。晴れた日にオープンカーを楽しんでいる人は、どんなシューズを履いているのか。オシャレは足……ではなく、運転は足元からである。

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