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「どうせ無理」と思い込むのではなく、「あたりまえ」を疑うことが大切な理由水曜インタビュー劇場(澤円公演)(4/5 ページ)

» 2021年07月28日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

伝えることを「価値」とした

澤: 就職活動をして、内定をもらった会社で働くことになっても、「あれ、自分がやりたかったこととは違うな」と感じる人って多いですよね。ですが、「苦手なことをやっていることはムダ」と思い込む必要はないと思うんですよね。ムダだと思っていることは、自身のキャリアにとって必ずしもマイナスになるとは限りませんし、経験しておくことによって何らかの形でプラスになることがあるかもしれません。

 じゃあ、その仕事に全力を尽くせばいいのか。周囲をキョロキョロ見て、他の何かを掛け合わせることができないか、と考えてみるのはいかがでしょうか。いまの仕事と何かを掛け合わせることによって、自分にあっていることが見つかったり、結果を出すことができたりすれば、そちらのほうに少しずつチカラを入れていけばいいと思うんですよね。

 先ほど申し上げたように、僕はプログラマーとしては超三流。しかし、インターネット時代がやって来たことで、コンピュータの基礎の基礎を知っている自分でも相対的な価値が上がった。また、コンピュータやインターネットに詳しくない人に、自分が必死に覚えたプロセスを伝えることにしました。

プログラマーとしては結果がなかなか出せなかったそうだが……(画像はイメージ)

土肥: 「コンピュータの基礎知識×インターネットの普及×伝える=価値」ですね。

澤: 「自分には能力がない。才能がない」といったことを言う人がいますが、それってほとんど関係がないと思うんですよね。行動するかどうかで決まることが多いと思っています。僕は保険会社のIT子会社で働いていましたが、外部コミュニティに属する機会がありました。社外の人たちと出会う機会があって、そこでさまざまな学びがありました。そうした人たちと会話をすることで、「世の中にはいろいろな仕事があるんだなあ」と感じていたわけですが、そのときに自分が属する会社や業界にとどまらず、「外とのコミュニケーション」をとることが必要ではないかと考えました。

 専門知識を持っている人はたくさんいます。上には上がいる。しかし、ある程度の専門知識を持ちながら、それを多くの人にうまく説明できる人は少ないですよね。プレゼン能力を高めることは、専門知識を磨いてトップを目指すよりもコストパフォーマンスがよくて、賢い戦略ではないかと考えました。

 何度も言いますが、僕はプログラマーとしては超三流。しかし、自分のチカラを発揮させる場は他にあるのではないか。そのことを知るためには、外に出て行動するしかなかったんです。行動するかどうかは自分で選ぶことができるので、そこに才能なんて関係ないと思うんですよね。

土肥: むむ。とはいえ、「外に出る勇気もないしなあ」「外に出るって、どこに行けばいいのよ」といった声が出てきそうですね。

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