内閣府が継続して調査している「国民生活に関する世論調査」では、「これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか」という問いに対して、62%以上の人が心の豊かさを求めるとしています。
ミレニアル世代では53%、Z世代では56%と他の年代に比べると物の豊かさを求める面があるものの、それでも半数以上がすでに心の豊かさを求めるようになっています。前回調査と比較すると、Z世代の心の豊かさを求める割合が高まっています。若いうちから、物では豊かさを実感できないことを理解しているのです。
以前、消費社会研究家の三浦展さん(カルチャースタディーズ研究所主宰)に紹介してもらった本に、「LOHAS」という言葉を世の中に知らしめた、『カルチュラル・クリエイティブス』(ポール・レイ、シェリー・アンダーソン著)があります。同書によって初めて、健康的で環境によいライフスタイルである「Lifestyle Of Health and Sustainability」、すなわちLOHASが重要視され始めました。
この価値観をミレニアル世代以降が特に持ち合わせていることを三浦さんは『シンプル族の反乱』(KKベストセラーズ)の中で指摘しました。それまでの年代に比べて、限りなくシンプルなライフスタイルを求める人たちということで、三浦さんは「シンプル族」と名付けたのです。
シンプル族の特徴は、その前の世代であるX世代=バブル族と比較すると明らかになります。
シンプル族のライフスタイルには、「無駄な物を持ちたくない」というエコ志向がベースにあります。なので、車よりは自転車、自転車よりは電動キックスケーターを利用します。環境にも健康にもいい物であればあるほど、購入意欲が増します。何より、「長く使っても飽きないもの」や「シンプルなもの」を好みます。
ベーシックな物に価値を見出しているため、ファッションもユニクロや無印良品などを利用し、できるだけ無駄な物を持たない生活スタイルを望んでいます。
カッコよさやかわいさといった基準がミレニアル世代以降では大きく変わり始めています。筆者のようなバブル族のおじさんの感覚が若者に受けないのは当たり前なのです。
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