一般的な暮らしに必要とされる居住面積水準はどの程度なのでしょうか。国土交通省の「住生活基本計画」を分析します。
同計画は、居住面積水準のガイドラインを定めています。そこには、世帯人数ごとに健康で文化的な住生活を営む基礎として、必要不可欠な住宅の面積などが示されています。
アールエイジの作るスーパーコンパクトな部屋は単身世帯の基準よりもかなり小さくなります。しかし、ここに住みたい人はもともと一般的な面積水準を求めていないのです。同社は世代特性を踏まえ、嗜好の変化に合わせた部屋をいち早く開発したからこそ、シンプル族に支持されてきたのです。その先見性こそが同社の優位性につながっています。
ミレニアル世代とZ世代の求める住まいは、国の考える住まいのカタチを越えて、もっと小さく、もっとシンプルなものを潜在的に求めていたのです。それがアールエイジのスーパーコンパクト住宅で引き出されたと言えます。住まいだけでもこれだけの変化が起きているのですから、この世代の価値観はそれ以前の世代のものとはまるっきり違うという意味がお分かりいただけるでしょう。
世界の人口78億人のうち、ミレニアル世代は22.3%の17億4000万人、Z世代は7.7%の6億人、Z世代予備軍(15〜18歳)も7.9%の6億1000万人。予備軍まで含めた両世代の占める割合は37.9%、29.5億人です。これからの世界の中心は間違いなくこの世代であり、世の中のパワーの源です。
だからこそこの世代がどのような価値観で動くのか、何を大切にする世代なのかをもっと掘り下げて分析していくことは、あらゆる企業にとって重要です。
モノであふれた時代から、モノを持たない時代に世の中は突入していきます。
この時代にどのようにモノやサービスを買ってもらえるか。
両世代の研究を通じて、商売のやり方を抜本的に変えていく必要があります。
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。
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