PPIH、通期決算を発表 インバウンド“蒸発”で駅前ドンキが苦戦するもユニーが好調海外も好調(1/3 ページ)

» 2021年08月18日 12時30分 公開
[昆清徳ITmedia]

 ドン・キホーテなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス (PPIH)は8月17日、2021年6月期通期の連結決算を発表した。売上高は1兆7086億円(前年比1.6%増)、営業利益は813億円(同7.8%増)、純利益は538億円(同7.9%増)といずれも過去最高を更新した。コロナ禍で国内のディスカウント事業が苦戦する一方、GMS事業や海外事業が好調だった。

駅前のドンキが苦戦した
増収増益を実現(出所:2021年6月期決算説明資料)

国内ディスカウント事業は苦戦

 国内ディスカウント事業においては、主力となるドンキの売上高が減少した。一方、ユニーとドンキのダブルネーム店舗の運営を行うUDリテールは、業態転換が順調に進み、既存店売上高が前年比102.6%と好調だった。そのため、営業利益は黒字になった。

 特に苦戦したのが駅前店舗だ。コロナ禍の影響でインバウンド需要が“蒸発”した。また、緊急事態宣言が発出された影響で、人流が制限されたことも響いた。さらに、消費者が密を避けるためにネット通販を多用するようになったことも、マイナス要因となった。

駅前店が特に苦戦した(出所:2021年6月期決算説明資料)

 インバウンド蒸発の影響を具体的に見てみよう。20年に入ってから、免税込の売上高は前年の実績を下回るようになった。第1回目の緊急事態宣言が発出された際には、70%弱にまで落ち込んだ。21年6月期通期の売上高は前年比73.2%(非免税は87.4%)という結果に。

 郊外店舗は、外食を控えたお客の巣ごもり需要を捉えた結果、堅調だった。しかし、1年前にマスクを始めとする衛生用品の特需の反動があったため、既存店売上高は前年比98.9%となった。内訳をみると、生鮮品を扱う店舗の売り上げは前年比100.3%だったが、生鮮品を扱わない店舗は同96.2%だった。

 UDリテールの業態転換を10店舗実施し、総店舗数は52店舗となった。UDリテールは、既存店売上高が前年比102.6%で、営業利益黒字化を達成した。

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