PPIH、通期決算を発表 インバウンド“蒸発”で駅前ドンキが苦戦するもユニーが好調海外も好調(2/3 ページ)

» 2021年08月18日 12時30分 公開
[昆清徳ITmedia]

GMS事業は堅調

 GMS事業においては、コロナ禍の追い風もあり、既存店売上高が前年比102.6%と好調な状態を維持した。

 PPIHは現在、GMSのリニューアルや業態転換を積極的に進めている。具体的には、傘下のユニーが「PIAGOプラス妙興寺店」(愛知県一宮市)を、21年3月に「PIAGOパワー妙興寺店」としてリニューアルオープンした。同店舗は20年6月にフルリニューアルしたばかりだったが、顧客ニーズに合わせてスピード感を持って再リニューアルした。妙興寺店は、改装後の売り上げが前年比141.5%と好調だった(20年7月〜21年6月の実績)。

リニューアルした店舗の業績(出所:2021年6月期決算説明資料)

 また、新しい実験として、ドンキがテナントインする形で改装したアピタ宇都宮店(宇都宮市)の売り上げも同126.3%と好調だった。リニューアルした店舗は、平均で売上高が123.4%、客数が119.6%それぞれ伸長した。

アピタ宇都宮店も好調(出所:リリース)

アジア事業では日本産品が好調

 アジア事業においては、台湾・マレーシアに新規出店をした。また、好調な香港で5店舗、シンガポールで1店舗それぞれ出店した。新規出店は計8店舗で、合計で19店舗になった。

 前年と比べ、同事業の売り上げは293億円増となった。また、日本産品をPPIHの海外店舗で販売するための会員組織「PPIC」の活動も業績に貢献した。同組織の会員(生産者や関係団体)は300近くに拡大。日本産品が店舗で支持された結果、営業利益は39億円増と大幅に伸長した。PPIHは、和歌山県など4県と連携協定を締結しており、各県で2030年における農産品などの輸出目標額を100億円としている。

台湾初出店となる「DON DON DONKI 西門(シーメン)店」(出所:リリース)

 北米事業においては、コロナ禍を背景とした外食の代替需要が売上高と営業利益を押し上げた。カリフォルニアでは、マスクなどの衛生用品を日本から輸出し、売り上げに貢献した。ハワイでは観光客が減少したが、ローカルスーパー業態が売り上げを下支えした。

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