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なぜ、7割超の日本企業は「五輪・緊急事態」でもテレワークできなかったのか元凶は「IT」ではない(4/5 ページ)

» 2021年08月25日 05時00分 公開
[川上敬太郎ITmedia]

 例えば、営業という職種を一つとっても、構成要素となるタスクはたくさんあります。営業職を例にとると、以下のようなものが代表的なタスクです。

  • アポイントをとる
  • 顧客を訪問する
  • 提案書を作成する
  • プレゼンテーションを行う
  • 契約書を交わす

 こうしたタスクごとに、「誰が」「いつまでに」「何を」するかを具体的に定めれば、働き手はいちいちマネジメント側の指示を仰がなくても、いつまでに何をしなければならないか明確に把握でき、自律的に仕事しやすくなります。

タスクと業務を設計するための3ステップ

 ただし、タスク単位でマネジメントするには、そのタスクが成果に直結するものでなくては意味がありません。そのため、成果という「ゴール」から逆算して、取り組むべきタスクを設定する必要があります。

 その手順は、大きく3つのステップに分かれます。マネジメント側は、これらのステップを踏まえて適切に業務設計しなければなりません。もし間違った業務設計をしてしまうと、働き手を、自律的に無駄なタスクに取り組ませるという悲劇を呼んでしまうでしょう。

Step1:出すべき成果(ゴール)を定量、定性で明確に定める

Step2:成果へとつながるプロセスを描き、鍵となるタスクを設定する

Step3:タスクごとに「誰が」「いつまでに」「何を(※)」するか決める

    ※「何を」には、「どの水準で仕上げるか」も含む。


 ただ、タスク単位に落とし込んでマネジメントしたとしても、日々の業務では想定外のことも起こり得ます。「誰が」「いつまでに」「何を」するかを定めていても、イレギュラーな事態によって、変更しなければならないことがあるかもしれません。その際はマネジメント側で素早く業務設計をし直すことになりますが、一度成果から逆算して「タスク」を設定していれば、取り組むべきことの全体像を踏まえて対策を打てるはずです。

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