中国で食用油の需要が盛り上がっている背景には、このように人口14億人を抱える全土で外食がV字回復して、油をジャンジャン消費していることがある。中華料理は油を使う。中国は国内でも大豆を作っているが、ブラジル、米国などから大量に輸入、爆買いしているのだ。
また、コロナ禍で厳しく外出制限された反動だけではなく、食に貪欲な中国人のテンションが上がる重要なことが起こっている。アフリカ豚熱が収束して、養豚が回復してきているのだ。そのため、豚肉が再び日常的に食べられるようになった。アフリカ豚熱は、豚や猪がウイルスによって感染する。発熱、全身からの出血を伴う病気で、致死性が高く、ワクチンもない。養豚業者にとって悪夢のような病気だ。
中国人にとって、豚肉が食べられない事態はとてもつらい。18〜19年にかけて、中国ではアフリカ豚熱の流行によって、豚の飼育頭数が半減したといわれている。しかし、20年には壊滅的な打撃から急速に回復して、ほぼ流行前に戻してきた。
中国ではコロナ禍からの解放感と、豚肉が食べられる喜びで、外食のみならず家でも食用油を気前良く使って料理している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング