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» 2021年08月29日 09時00分 公開

トイレの個室に「使用時間」を表示 で、どうなったのか?「実証実験」の結果(2/4 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

混雑解消に効果

 このように書いても「そんな文言を表示したところで、効果なんてあるの?」と思われたかもしれないが、結論から言うと「あった」のだ。

 2020年、とあるオフィスで実証実験を行ったところ、次のような結果が出た。センサーを設置しているトイレにエアーノックを導入し、その前後の状況を分析したところ、30分以上の利用が64%も減ったのだ。30分以上だけでなく、20分以上も43%減、15分以上も29%減と、混雑解消に役立っていることが分かってきたのだ。

他の個室に空きがある場合、「空いています」と表示される
全ての個室が使用されていると「満室になりました」と表示される

 実験で使われたトイレには個室が24室あって、月間(20営業日換算)でみると、359時間も削減できたことになる。このような数字を目にすると、会社の上層部は「なぬーっ! ゆ、許せん!」と怒りマックスになって、定期的に「使用中のトイレをノックせよ!」「担当者はお前だ!」などと決めてしまうかもしれないが、冷静になっていただきたい。

 体調不良などの理由で、どうしても長時間利用にならざるを得ない人もいるので、個室にこもることが必ずしも悪いことではない。問題はスマートフォンの画面をじーっと見て、気付いたら長時間滞在しているケースだ。筆者は用を済ませればその場をすぐに離れるタイプなので、滞在時間は5分ほどだと思うが、バカン社の担当者に聞いたところ「30分以上利用している人はまあまあいる」そうだ。その理由として、圧倒的に多いのが、やはりスマホの利用だという。

 それにしても、なぜ同社はこのようなサービスを開発したのだろうか。河野剛進社長に聞いたところ「子どもと一緒に商業施設に行って、飲食店を探したところどこも満席でした。探し回っているうちに、子どもが泣き出してしまいまして。こうしたつらい思いはしたくないなあ。限られた時間を大切にしたいなあ。このようなことを考えているうちに、“空き状況が分かる”サービスに価値があるのではないかと考えました」とのこと。

 その後、飲食店の混雑具合を検知するサービスをローンチした。混み具合を知りたいのは、飲食店だけなのだろうか。トイレも行ってみなければ分からないので、「混雑を抑止できるようなサービスが必要ではないか」(河野さん)と考え、開発を始めたという。

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