日本は世界でもキャッシュレス化が遅れているといわれてきました。キャッシュレス比率は2016年時点で19.9%でした。19年には26.8%にまで上昇していますが、先進諸国はキャッシュレス比率が軒並み50%を超えています。さらに日本の目指すキャッシュレス比率は25年に40%です。目標実現にはまだ遠い状況です。
私はそのカギを握るのは、クレジットカード決済(以下、カード決済)であると考えています。キャッシュレス決済比率の1位はカード決済だからです。しかし、その利用率を上げるためにはさまざまな課題をクリアしなければなりません。特に、カード会社に支払う事業者の加盟店手数料負担がどこまで軽くなるかがポイントであると考えています。
しかし、そう簡単には手数料が下げられない構造的な問題があるようです。カード会社と手数料を取り巻く環境はどうなっていくのでしょうか。コロナによってますます注目されるキャッシュレスの今後について、消費トレンドの変化を約30年追い続けてきたムガマエ株式会社代表の経営コンサルタント、岩崎剛幸が分析していきます。
日本のキャッシュレス比率については、次のようなテータがでています。
日本における10年のキャッシュレス支払額は40兆円弱でした。そこからキャッシュレス支払額は年々上昇し、19年時点では80兆円、キャッシュレス比率も26.8%と10年間でほぼ倍増しています。日本のキャッシュレス化は確実に進んではいます。
内訳を見ると、比率はまだ低いものの急速に伸びているのがPayPayに代表されるQRコード決済です。しかし、決済比率の約9割を占め、今も伸びている決済手段はクレカです。
最近はQRコード決済の広告が多く、店頭でもQRコード各社のPOPなどが目につくため、キャッシュレスの代表格のような印象があります。しかし、まだまだクレカが日本のキャッシュレス社会の王様なのです。
カード決済の利用が進まなければ、日本のキャッシュレス化は進展しないといっても過言ではないのです。
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