ゆで卵は簡単につくれるのに、なぜ「エッグマイスター」は3万5000台も売れたのかあの会社のこの商品(5/6 ページ)

» 2021年09月08日 08時00分 公開
[大澤裕司ITmedia]

商品より料理を大きく見せたパッケージデザイン

 エッグマイスターは年間1万台を目標に販売を開始。社内では「年間8000台売れればヨシ」と思われていたという。

 だがフタを空けてみると、販売台数は発売から1カ月で目標の300%に当たる3万台を突破。現時点の販売台数は3万5000台を超えている。

 短期間でこれほど売れた最大の要因は、あるテレビ通販会社の商材に採用されたことにあった。開発中に偶然、テレビ通販会社の商品選定担当者と話す機会があり、そのとき、エッグマイスターの話をしたところ興味を持ち、商材として取り扱ってくれることになった。

 「テレビ通販会社によれば、エッグマイスターのような尖った商品も『発売と同時に一気に視聴者に訴求すれば売れるのではないか?』ということでした」

 佐藤氏はエッグマイスターがテレビ通販会社の商材に選ばれた理由をこう明かす。番組を見て直接購入するのはもちろんのこと、放送後、家電量販店の店頭で見かけたときに購入に至るケースも見られるという。

 店頭で注目を集めるために気を配ったのが、パッケージデザインであった。特徴として、最も強調したのは商品ではなく料理であること。極厚のエッグサンドイッチを半分に切って断面を強調したカットをメイン使った。

極厚のエッグサンドイッチを半分に切って断面を強調

 商品よりも料理を強調したのは、「これで何ができるかを示したかったため」(佐藤氏)。インスタ映えするレベルの料理のカットを大きく使うことで、店頭で目立たせ、注目を集めることにした。

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