「固ゆで」「半熟」「温玉」はそれぞれ、ゆでる温度と時間が異なる。つくるものに合わせてこれらを微妙にコントロールすることが求められることから、各メニューをつくるためのプログラムをつくり、本体内のICチップに組み込むことにした。
プログラムは、湯温が固ゆで、半熟の場合は93〜95度、温玉の場合は70度前後に達したら水を沸かすヒーターが切れ、ある温度まで下がったら加温し一定の温度帯を維持し一定時間ゆでる、といったもの。本体底面に水温を測るセンサーを搭載し、センシングしながら湯温を制御する。
試作をつくっては調理試験を実施し、結果を踏まえてプログラムの修正を繰り返した。メニューが固ゆで、半熟、温玉と3つあるので、実施した調理試験は1万2000回ほど。予想をはるかに超える試験回数となった。
手間取ったのは温玉だった。「全部同じ出来栄えにするまで手こずり、最後は卵を見るのも嫌になったほどです」と振り返る佐藤氏。また半熟については、黄身の仕上がり具合をどの程度にするかで迷ったという。なかなか結論が出ず、最後は社内で好みを調べ最も多かった回答を基準とすることにした。
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