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» 2021年09月30日 05時00分 公開

台頭するハイボールやレモンサワー サントリーは「ビール」をどう売っていくのか仕掛け人を直撃(3/3 ページ)

[唐仁原俊博,ITmedia]
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創業以来のチャレンジ精神でビールの可能性を追求

 これまで、メーカーのこだわりを伝えるツールとして活用されてきたのがビール工場見学だ。しかし現在、コロナ禍の影響で受け入れは困難な状況にある。

 そこでサントリーが今年3月にリリースしたのが「冒険型ビール工場体験 BEER iLAND(ビアアイランド)」だ。

 リアルが無理ならオンラインで工場見学をしてもらおう。でも、単にリアルを置き換えるだけでは面白くない。ならば、オンラインならではの体験価値を提供しよう。

 ビアランドは、Webブラウザ上で遊べるロールプレイング形式のゲームだ。

 主人公は「サントリー島」を訪れた旅人。新しいビールを作るというブルワリーにたどり着き、多くの人と出会いながらビールづくりを手伝う。

サントリーが提供する「冒険型ビール工場体験 BEER iLAND(ビアアイランド)」(出所:リリース)

 「麦を集めるところから段階を追って、ビールづくりをゲームとして体験していただくことで、われわれが何を考え、何をしているかを楽しみながら理解していただけると思います」(稲垣氏)

 それにしても、ビール工場見学の代わりにゲームを作るというのは、さすがは「やってみなはれ」のサントリーというべきか。

 「ぬるま湯に浸かっていてはいけない、というのは創業者以来のカルチャーです。だから『挑戦しないのは悪』という共通認識があります。

 そして『会議で発言しないなら、いなくていい』『情熱がないなら担当を外れてくれていい』という厳しさがある代わりに、誰かが『やりたい』と言ったら、それを周りがサポートしてくれます。5年かけて発売にこぎつけたパーフェクトサントリービールがいい例でしょう」(稲垣氏)

 稲垣氏がサントリーに入社したのは、酒とかかわる仕事がしたかったのが理由だという。

 「私自身、お酒が大好きです。お酒はちょっといいことがあったとき、ちょっと残念なことがあったとき、あるいは人生の節目など、感情が揺れ動くときに寄り添ってくれる特別な存在です。

 いろいろな酒類が元気ななか、ビールはちょっとポジションが下がってきているものの、まだまだ日本ではお酒の中心にいます。

 お客さまの感情が揺れ動くとき、ぜひサントリーのビールを手に取ってほしい。機能だけでもなく、味だけでもなく、ビールの可能性にまだまだ挑戦し続けたいと思います」(稲垣氏)

著者プロフィール

唐仁原 俊博(とうじんばら・としひろ)

ビジネス系フリーライターの活動と並行し、総務省「地域おこし協力隊」制度を利用して、人口5300の岩手県西和賀町役場に勤務。さらに休耕地活用のためヤギの飼育を開始。ライター、地域おこし協力隊、ヤギ飼いの三足のわらじに加え、日本初「ヤギがいるコワーキングスペース運営」という四足目を準備中。


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