BNPL利用者の7割がクレカも保有 なぜ後払いを使う?(1/3 ページ)

» 2021年10月11日 16時44分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 3人に1人まで利用経験の増えてきたBNPL(後払いサービス)。しかし、意外なことにBNPL利用者のうち70%がクレジットカードも保有していることが、メルペイが行った調査で分かった。「クレカの与信がおりないから後払いを使っているわけではない」(世代・トレンド評論家の牛窪恵氏)わけだ。

 BNPL市場は拡大を続けており、2020年度は8820億円。矢野経済研究所の予測では2024年には1兆8800億円に達すると見られる。何が、BNPL成長の原動力なのだろうか。

BNPLと呼ばれる後払い利用者のうち7割はクレジットカードも保有している(メルペイ調査より)

「つい使いすぎてしまう」というクレカの課題

 クレジットカードを持っているのにBNPLを使うのは、これまでのクレジットカードに課題があるからだ。メルペイの調査では、BNPL利用者はクレジットカードの課題として、49.5%が「ついお金を使いすぎてしまう」ことを挙げた。2位にも「利用金額を把握しにくい」(24.3%)が入り、支払い管理の難しさがクレジットカードを敬遠する理由になっている。

 一方で、BNPLのメリットとしては「支払いタイミングを調整できる」ことを60.9%が挙げた。さらに「利用金額を把握しやすい」(34.8%)ことも、クレジットカードに比べた利点だと認識されている。メルペイが提供する「スマート払い」では、自分で利用上限を設定でき、利用するとすぐに総利用額が分かるなど管理機能に力を入れている。これが評価された形だ。

BNPLのメリットとクレジットカードの課題は、管理のしやすさという点で表裏一体となっている(メルペイ調査より)
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