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「年末調整の電子化」を進める手順は? 改正ポイントも紹介【令和3年版】(1/5 ページ)

» 2021年10月27日 07時00分 公開
[企業実務]

 ことしの税制改正では、昨年に引き続き年末調整の電子化に関する要件緩和が進められました。そこで、年末調整の電子化の手順を確認するとともに、ことしの改正ポイントを解説します。

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 本記事は、2021年10月号に掲載された「年末調整の電子化を進める手順とことしの改正ポイント」を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集し、転載したものです。


年末調整の電子化のメリットとは

 年末調整の電子化とは、年末調整の一連の手続きを書面ではなくデータで行う方法です。令和2年分の年末調整より、国税庁が無償の年末調整ソフト(以下、「年調ソフト」といいます)を提供しており、電子化の範囲が広がりました。

 年末調整の一連の手続きを電子化することには、次のようなメリットがあります。

  • (1)控除額を自動計算で行うので、従業員にとっては慣れない申告書への記入をしないで済み、給与担当者にとっては検算が不要になる
  • (2)マイナポータル等から入手した控除証明書等のデータはすでに電子署名済みなので、書面での保管は不要となる

 年末調整の電子化は、給与担当者の負担を減らし、オフィスの省スペースにつながります。

 2021年3月31日以前は、年末調整に関する申告書等を電子化するには、税務署に事前に「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請」を行って承認を得る必要がありました。

 それが2021年度の税制改正で、2021年4月1日以後に提出する申告書については、この承認申請が不要とされました。会社はいつでも、申告書の電子化を始められることになります。

申告書の電子化を行うための要件

 ただし、申告書の電子化を行うには次の2つの要件を満たす必要があるとされています。

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