テレワークが普及したことにより、オフィスを縮小する企業が増えている。特に2020年末ごろから、企業のオフィス縮小や撤廃に関連するニュースをしばしば耳にするようになった。賃借契約の期間内解約は6カ月前告知が基本なので、春の緊急事態宣言解除後に縮小を決めたところが多い関係で、年末以降に動きが集中しているようだ。
IT企業のウイングアーク1stは、約1500坪のオフィスの3分の2にあたる約1000坪を撤廃した。社員約500人が勤務する東京・六本木の一等地にそびえ立つビルの床面積を一気に3分の1にまで縮小してしまったことになる。オフィス減床における大型案件の部類に入るのではないか。
並行してペーパーレス化を進め、年間約24万8000枚分、従来の99%相当の紙の削減を実現した。24万8000枚といわれてもイメージしづらいが、ダンボール箱にして67箱の書類を1箱にまで減らした計算になる。
請求書の発送業務では、従来は出社して月に300通を処理していたのを在宅のままネットでアップロード可能な体制に変更した。郵便局への持ち込みといった物理的なアクションをなくしている。脱ハンコも推進し、法務・総務部門では電子契約導入により、1契約あたりの工数を約30分削減している。
このように業務フローを見直すことで、単なるペーパーレスだけではなく、時短と工数削減による業務の効率化を実現している。
コロナ禍において新しい働き方を実現するため、業務フローの再構築をどのように行ったのか──現状の課題や今後の期待も含め、同社の藤本泰輔氏(執行役員、CFO)と吉田善幸氏(執行役員、人事・組織文化担当)に話を聞いた。
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