新型コロナウイルスの影響で、人々が集まる“店舗”は大きな打撃を受けた。その一方で、密や接触を回避し、より効率的に店舗を運営できるテクノロジーへの期待が高まっている。
10月27〜29日にかけて行われた「第12回 Japan IT Week 秋」内「次世代EC&店舗EXPO」で展示された技術を、店舗の無人化・省人化にフォーカスしながら紹介する。
テクノホライゾン エルモカンパニー(愛知県名古屋市)は、カメラを使った無人店舗システムを展示した。店舗内の防犯カメラのような小型カメラが、顧客のピックアップした商品を自動認識してスキャン。スマホなどによるキャッシュレス決済で、取引完了となる。
同製品は店舗だけでなく、医療や介護、セキュリティといった分野への展開も可能だという。
これだけでもレジを通らない無人店舗が成立するが、同社ではさらにAI認識処理をカメラ内で行うタイプの製品を開発中だ(2022年春、リリース予定)。顔情報と決済方法を登録した人が店に入り、商品をピックアップし、店から出るだけで決済が完了する、いわゆる“顔パス”での購入ができる。
同社は10月から自動配膳ロボットの取り扱いも行っている。同イベントでは猫型配膳ロボット「BellaBot」を展示していた。
オーダーのあったアイテムをキッチンで受け取り、指定の場所まで運ぶ、自動カートだ。実際の配膳は人間が行う必要がある。
顔の部分にタッチ型ディスプレイを搭載しており、顧客がタッチしてオーダーできる。既存のタブレット型テーブルオーダーシステムとの連携も可能だ。通常時はディスプレイに猫の顔を表示しているため愛嬌がある。また、耳のあたりにタッチセンサーを搭載しており、なでるなどすると喜んだり、せりふを言ったりする機能があり、かなり癒やされる。
さぞかし子どもからのウケがいいだろう、と思っていたら、すでにガストやサイゼリヤといったファミレスでの導入が決まっているという。
店舗を歩く顧客、特に子どもなどとロボットがぶつかるトラブルはないのだろうか? と不安を感じる向きもあるだろうが、高精度なレーザーセンサーを搭載しているため、障害物を回避できる。
ホールスタッフがキッチンに行く手間を省けるため、スタッフがホールを離れずに済む。省人化だけでなく、顧客の要望にも応えやすくなり、例えば「さっきおしぼり追加って言いましたけど」などといったクレームを減らし、サービス向上が期待できるという。
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