北海道のローカル線を盛り上げる位置情報ゲーム「テクテクライフ」、仕掛け人に聞く杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/11 ページ)

» 2021年11月07日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 JR北海道の釧網本線が全通90周年を迎えた。その記念行事の一つとしてスマートフォンを使ったデジタルスタンプラリーが開催されている。ただし専用アプリを開発せず、地図塗りつぶしゲーム「テクテクライフ」に内蔵された「デジタルスタンプラリー」機能を使った。スタンプを集めると、一定数ごとに抽選に参加でき実物の景品が当たる仕組みだ。

10月9日に走った臨時列車「テクテク釧網本線めぐり秋号」

 全国から「テクテクライフ」ファンが来訪し、沿線の人々もゲームをきっかけに釧網本線の旅を再発見している。この取り組みが釧網本線の乗客を増やし、沿線地域の活性化に貢献しているという。

 見捨てられかけたローカル鉄道と、最先端デジタル技術のゲームのコラボがなぜ実現したか。互いにどんなメリットがあったか。そして今後の展開について、テクテクライフ代表取締役プロデューサーの田村寛人氏と、キーパーソンとなった網走市議会議員、近藤憲治氏に聞いた。

田村寛人氏

テクテクライフ代表取締役「テクテクライフ」プロデューサーの田村寛人氏

 ナムコ(現・バンダイナムコ)で英語知育ソフト、ジャストシステムでポンキッキを使った知育ソフトなどを制作。チュンソフトでサウンドノベル『かまいたちの夜2監獄島のわらべ唄』のプロデューサー。

 AQインタラクティブ(現・マーベラス)を経て、レベルファイブにて「イナズマイレブン」等のマーケティングに関わる。その後、自身で企画しドワンゴがリリースした位置情報ゲーム「テクテクテクテク」を手がけるも半年で終了。事業譲渡を受けて「テクテクライフ」として再スタートさせた。


近藤憲治氏

網走市議会議員、MOTレール倶楽部(顧問)の近藤憲治氏

 名古屋出身、名古屋鉄道で愛知万博関連、名鉄の末端路線廃止を経験。以来、まちづくりと鉄道の関わりについて関心を持つ。その後、北海道新聞に転職。網走支局に配属されて2年半、網走で勤務するなか、鉄道を生かした地域活性化を目指す任意団体「MOTレール倶楽部」の創設に携わる。

 2011年、網走市議会議員選挙に立候補し当選。現在3期目。一次産業と観光を軸とした地域経済の再興、地域医療の維持確保、教育環境の充実、官民挙げたDX関連施策の推進などに力を入れている。全国若手市議会議員の会副会長、財政研究会地方議員連盟副代表。


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