北海道のローカル線を盛り上げる位置情報ゲーム「テクテクライフ」、仕掛け人に聞く杉山淳一の「週刊鉄道経済」(5/11 ページ)

» 2021年11月07日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

準備期間は3カ月、手応えはリアルタイムで

杉山: 4月に顔合わせをして、7月に網走でサービスインして釧網本線90周年に提案して10月1日にスタート。半年しか経ってないですね。話がトントン拍子に進んだのはいいけれど、準備が大変だったんじゃないですか。

田村氏: そうですね。でも、網走の方々がとても熱心で、近藤さんや、まちづくり会社「まちなか網走」さん、網走市さんなど皆さんがすごくエネルギッシュに「ここをチェックインスポットに」「こういう文章を入れたい」「この写真を使ってほしい」と細かく提案し、素材も用意していただいたので、とても助かりました。

近藤氏: 「オホーツク流氷館」と「博物館網走監獄」は、入館料を支払ってから入る敷地内にチェックインコードがあるんです。つまりお金払わないとチェックインできない仕組みです。

チェックポイントの紹介文も読み応えがある。その場所を深く知ってほしいという熱意の表れだ

杉山: 集客イベントだから、そこはキッチリしてるんですね。

近藤氏: でも、「オホーツク流氷館」と「博物館網走監獄」は、デジタルスタンプラリー参加者向けの割引制度をわざわざ作ってくれました。

杉山: 「オホーツク流氷館」は入館料と流氷ソフトクリームのセットが120円引きの1000円、「博物館網走監獄」は入館料大人1100円が990円。学生、生徒も約1割引ですね。チェックインにお金払うのか……なんて思いますけど、どちらも割引入場で楽しめちゃう。私は2月にどちらも行きましたけど見応えのある施設ですよね。ゲーム自体は参加無料だから、これはおトクです。

博物館網走監獄はイベント参加者用に割引制度を作ってくれた

近藤氏: 市内の事業者さん、テクテクライフ制作チーム、間をつなぐ僕たちがとても良い関係で相乗効果を発揮できました。実際にお客様が増えているから、網走の人々の気持ちも良いほうに変わった。これを釧網本線全体に広げると、鉄道路線の活性化につなげられます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.