北海道のローカル線を盛り上げる位置情報ゲーム「テクテクライフ」、仕掛け人に聞く杉山淳一の「週刊鉄道経済」(7/11 ページ)

» 2021年11月07日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

仕組みはすでにできていて、コンテンツを載せるだけ

杉山: それまで全国各地で自治体の皆さんが紙やデジタルのスタンプラリーサイト、アプリを個々に、イチから作られているように思います。時間もお金もかかりそうですね。

田村氏: テクテクライフの中にデジタルスタンプラリーの仕組みが入っているので、そこに観光地や飲食店などの情報を乗せていただくだけです。大変な手間がかかったように見えて、実は仕組み自体は「エヴァめぐり」と同じなので、住所と解説のテキストと写真があれば、すぐにスタンプラリーを作れます。これはデジタルスタンプラリーのプラットフォームです。だから春にキックオフして7月にスタートできた。

杉山: 観光だと、旬のネタもツッコみたいから、スピード感は大事ですね。

田村氏: はい。今後、全国に展開していきたいと思っているので、まずテストケースは必要です。喜んでいただけたという実績と、反省点を見つけて改善する。テクテク網走めぐり、釧網本線めぐりはその第一歩です。

杉山: うーん、そうなると、航空会社やJRなど長距離交通ともタイアップできそうな。

田村氏: あ、それ言おうと思ったんですけど言われちゃった(笑)。

杉山: :近藤さんのほうの手応えはどうでしょう。

近藤氏: 釧網本線の方は10月1日に始まったばかりなので(取材は10月9日)、まだ効果のほどは分かりませんが、すでにテクテク釧網本線めぐりを全て制覇したユーザーはtwitterで見掛けます。

田村氏: 最初の土日で終わらせたという方もいらっしゃいます。

杉山: テクテクライフ“マニア”というか、このゲームをのすごく好きな方でしょうね。

田村氏: そういう方が結構いらっしゃるんです。

近藤氏: 旅好きな方、鉄道が好きな方、地図が好きな方が、テクテクライフというツールをうまく使って釧網本線を楽しんでいらして「今は行けないけれど、3月までには行きたい」っていう反応もかなり見掛けます。「釧網本線が何でこんなことを始めたんだ」という驚きや賞賛の反応もあり、すごく良かったと思います。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.