――プラントベースの商品はカフェチェーンやコンビニなども見かけるようになった一方、消費者の食生活に浸透しているとは思えないのですが、どのようなブレイクスルーが必要だと思いますか?
東: カルチャーから変えていくことが重要だと思っています。日本だと、プラントベースはヴィーガンの食べ物と捉えられることが多いです。一方、米国だと、肉も普通に食べるけど、プラントベースも食べるというフレキシタリアンが増えています。スーパーマーケットの精肉コーナーの横には、大豆ミートが当たり前のように並べられています。
海外では、そういった食生活や環境への配慮を、セレブが自分のアイデンティーとしてSNSで発信したり、関連ビジネスに投資したりしています。それにより、「やっていないことがダサい」というカルチャーができあがっているんです。一方、日本はまだ機能面が重視されがちだと感じています。
一時期、「スターバックスでマックを広げて仕事をするのがかっこいい」という風潮がありました。高いおいしいコーヒーを飲む以外の価値を人々がスタバに求めていることが分かります。「プラントベースを食べることがかっこいい」という情緒的な価値につなげていくことができれば、一般の消費者にも広がっていくと考えています。
――そういったカルチャーを根付かせるために、具体的にどんな動きをされているのでしょうか?
東: 店舗展開とカゴメさんとの業務提携があります。現在は都内を中心に6店舗で、2024年までに100店舗、5年で300店舗の展開を目指しています。もちろん、多くの消費者に受け入れられるブランドに育てていきますが、渋谷ロフト店や銀座ロフト店など、最初は相性のいい層がいる立地を選んでいます。
カゴメさんとは4月に業務提携しました。店舗拡大は時間やコストの観点から限界がある。そこで、素材そのものやスーパーに卸せるような商品の開発に共同で取り組んでいます。22年春に新商品の販売を予定しています。
海外ではプラントベースのベンチャーが大手と組むのは、鉄板ルートなんです。米国のビヨンド・ミートやインポッシブル・フーズがバーガーキングと組んで植物肉バーガーの商品化を実現しました。店頭に並ぶことでメディアもニュースとして扱いやすく、植物肉が徐々に市民権を得ていきました。日本でもこの流れが作れるのではないかと考えています。
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