日本の検査制度はオーバークオリティー?
自動車メーカーが、生産工場からの出荷時に行う完成検査で不正をしていたことが明らかになったのは2017年のことだった。そして今年は、自動車ディーラーでのスピード車検で不正があったことが明らかになった。
この2つの不正行為は、実は問題の根底に同じ原因を抱えている。それはクルマの品質向上に法整備が追い付いていないことと、生産や整備の現場で効率を追求しすぎることだ。
車検時には24カ月点検を行うことが義務付けられている。ユーザー車検という制度を利用することで、車検自体は合格しても、24カ月点検を自分で行うのは非常にハードルが高い。ユーザー代行車検は、こうした制度の隙間を利用したビジネスだ車検制度限らず、日本の乗用車に関する法整備は昭和26年(1951年)に制定された道路交通法、道路運送車両法によって始まっている。当然のことながら、その中には幾度も改正されている条項も少なくないが、全てが実情に見合っているとは言い難い。
車検の有効期限は乗用車は2年、商用車は1年であったのが、83年から乗用車の新車は初年度登録から3年間に検査の有効期限が延長されている。そして95年には初年度から10年を経過した乗用車は、従来は車検の有効期限は1年だったものが2年へと延長された。これらは、クルマの品質向上を反映した改正といえた。しかし、そこから四半世紀の間にクルマの品質は著しく向上したにもかかわらず、さらなる見直しは進められていない。
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