業績の上方修正前やスマートフォン事業への新規参入発表前に、社外取締役を務めるジンズホールディングス(ジンズHD)の田中仁社長がインサイダー取引の恐れがある株取引をしていたと、バルミューダが11月18日に発表してから1週間が経過した。一連の“疑惑”を投資家など市場関係者はどう見ているのか。直近約1週間の2社の株価推移を終値ベースで追った。
まずはバルミューダ。11月18日から25日にかけては、5020円(一株当たり、以下同)から4945円に下落した。特に、18日からインサイダー取引“疑惑”の発覚から一夜明けた翌19日にかけては150円も株価を下げた。
株価下落の要因は、一連の疑惑だけではなく、同社が同月16日に発表した、新型スマートフォン「BALMUDA Phone」にもありそうだ。対象範囲を16日まで広げると、5370円から425円下落していることが分かった。スマホ事業への参入を発表した5月までさかのぼると、参入発表以降、7070円(5月26日)をピークに下落が止まっていない。
同社のスマホに関しては、約10万円の価格に対してスペックが低いなどとして、ネット上では批判の声が少なくない。新型スマホの“期待外れ感”に加え、インサイダー取引疑惑が株価の下落傾向に拍車をかけたのかもしれない。
田中社長の所属元のジンズHDの株価はどうか。バルミューダと同様、株価の終値ベースで見ると、7210円(18日)から6950円(25日)に下落。下落幅は260円となった。
18日の発表以降の2社の動向を、それぞれのIR情報サイトで追ったものの、ジンズHDが執行役員人事を発表(田中社長は留任)したのみで、2社とも一連の疑惑に関する続報を発表した形跡は記事執筆時点(25日午後6時)では見当たらなかった。
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