もちろん今までも、ゴルフはコミュニケーションをとる場という側面は大いにありました。しかし、取引先とのコンペに呼ばれてイヤイヤ行くとか、大切な取引先の社長をヨイショするために行く、嫌な先輩に無理やり連れられて社内ゴルフをするなど、仕事の延長で強制的にやらされていた人も多かったように思います。
しかし、そのようなゴルフはかなり減りました。今はまさに「楽しむために行く」「つながるためにする」のです。ある意味で、スマホの延長、SNSの延長にゴルフがあるといってもいいかもしれません。ゴルフ場はつながるためのコミュニティーの場なのです。
最近では、ゴルコン(ゴルフ場合コン)、ゴルフ婚活、シミュレーションゴルコン(ゴルフのシミュレーターがある施設での合コン)など、ゴルフ関係の男女の出会いイベントが数多く開催されています。
「10回のデートより1回のゴルフ」という言葉があるほど、男女の出会いにもゴルフが活用されているようです。
ゴルフを楽しめる人は、健康について意識しており、クルマも持っていて、ゴルフがたびたびできるくらいに経済的・時間的余裕があると考えられています。そのため、結婚相手、付き合う相手の条件をクリアしているようです。
このように、ゴルフは20代の若者達にとって、今までのゴルフの枠を超えたスポーツと捉えられています。そして、遊びや出会いの場にもなっています。SNSがデジタルなつながりの場で、ゴルフ場がリアルなつながりの場になっているといえるでしょう。
最近、ソフトバンクグループ傘下の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループが国内ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ・グループを4000億円規模(推定)で買収すると発表しました。投資対象としてのゴルフという側面もあらためて注目されるようになるでしょう。
ゴルフ市場は22年も引き続き拡大していくのか。関連市場も含めて、若者の動向を見る重要なマーケットとして注視していきたいと思います。
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。
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