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無難になりがちな社内行事で「ディスコ」と「壁ドン」 今こそ必要な「エンタメ転換」のススメ必要なコミュニケーションとは(2/5 ページ)

» 2021年11月30日 05時00分 公開
[金田有浩ITmedia]

社内イベントを企画

 コンテンツビジネスで学んだ考え方は、企業と顧客の間だけではなく、企業内のコミュニケーションでも活用できます。その一つの事例として、数年前にプロデュースをした某大企業の全社パーティを紹介したいと思います。

 その企業は会社史上最高益を達成し、それを記念した社内イベントを行うことになりました。

 一般的に、大会社の社内イベントですと、表彰や社長からの激励あいさつ、そして盛り上げるためのビンゴゲーム大会を行うことが多いでしょう(私のいた日本テレビでもそうでしたから。しかもビンゴゲーム抜きで)。厳粛に(無難に?)行うのが常です。

 しかし、過去最高益を分かち合うことで、「会社として明日につながる社内“コミュニケーション”」を生み出したい――。そんなことを考えていました。

 そこで必要になるのがエンタメ転換です。私は、楽しませたい相手の「思い」をしっかりと知ることから始めました。

 本社は都内にありますが、製造工場は別の場所にあります。そして会社の成長に伴って従業員も増え、組織も多様化していました。

無難な社内行事が多いが……(写真はイメージ)

 さまざまな部署の力を結集して成し遂げた最高益。普段はなかなか触れ合いのない多様な部署の社員が共にそれを実感し、皆の心が一つになる――。そんな時間を創り出したい。しかも、「ありきたりな形」ではなく……。

 その時、私が考え付いた「楽しい」の形は「興奮」でした。

 本社勤務社員と工場勤務の社員、そして平社員から経営陣。会社の横と縦がフラットに一緒に「興奮」の時間を過ごすこと、それを具体的な目標に設定しました。

 その興奮を生み出すキーワードとして選んだのは「ギャンブル」と「音楽」。どちらも“脳内麻薬(!?)”の分泌を促すものでしょう。それらを体現する場として選んだのは「ディスコ」です。

 こうして、社内イベントの会場は、“銀座の大箱ディスコ”となりました。

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