同社の田中信取締役副社長は「新店舗のターゲットはZ世代」と強調する。Z世代とは、一般的に1996〜2010年ごろにかけて生まれた人々とされ、21年時点で11〜25歳の人が該当するという。
同社は、Z世代をターゲットにする理由として「10〜20代の若者は、コロナ禍で最も収入が減った層になっています。一方、コロナ禍においても外食に対する意欲が最も高かった層という結果が出ています。コロナ収束後、リベンジ消費で爆発的に消費が伸びる可能性があると考えています」(田中副社長)と説明した。
Z世代が他の世代と比較して、トレンドに敏感で、「映え」好きな傾向があると考えられるものの、可処分所得は相対的に低く、その分客単価も下がる印象を筆者は感じている。また、写真撮影をしたり、テラス席で談笑したりという行動を考えると、滞在時間が長くなり、回転率の観点で課題があるように思える。実際、原宿店の想定客単価は1500円で、席の時間制限もないという。
「Z世代向けの新店舗」と銘打つよりも、原宿という土地の利を生かし、幅広い客層を狙ったほうが収益を見込めるのでは? という疑問に対して、岡本取締役は次のように説明した。
「オープンしてみないと分からない部分も多いですが、滞在時間が1.5倍長くなったとしても、食事量が1.5倍に増えれば問題ありません。ここでしか食べられないデザート、体験にお金を払うというメリハリのある消費行動があるのがZ世代の特徴だと考えています。
客単価向上の働きかけも行っていきます。寿司の値段は変わらず、シャリを半分にする『シャリハーフ』や、2500円以上の注文で『鬼滅の刃』とのコラボ商品をプレゼントなどのキャンペーンも実施しており、消費の活性化を促しています」
同社は、都市型店舗として渋谷や新宿、池袋にも出店している。家族連れが多い、ロードサイド店とは異なるニーズの獲得につながったという。トレンドの中心地として多くの飲食店が軒を連ねるなか、「スイーツ」「映え」でZ世代の心をつかめるか。
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