都市圏在住者のうち、地方移住に関心があると回答した割合は27.9%――NTTデータ経営研究所は9月、「NTTコム リサーチ」に登録するモニターで正社員、公務員、団体職員に属する30〜50代のホワイトカラー職種1035人を対象にアンケート調査を実施し、こうした結果が判明した。
地方移住に関心がある27.9%のうち、12.9%は「コロナ禍を機に地方移住に関心を持った」と回答。47.6%と約半数は「移住に向けた検討・準備を行っている」とした他、2.4%はすでに地方移住を実施していた。
地方移住に関心がある人が移住先を選ぶ理由として最も多かったのは、「自然環境が豊かだから」で49.3%に及んだ。次いで、「現在の職場への通勤が可能だから」(30.2%)、「家賃が安いから」(29.9%)と続いた。地方移住で生活費を抑えたい一方、豊かな自然環境と都心へのアクセスは確保しておきたいという意図がうかがえる。
移住後の仕事は「主にテレワークを行いながら現在の職場での勤務を続けたい」との回答が44.4%と半数近くを占め、テレワークの継続を求めていることが分かった。また、「主に通勤しながら現在の職場での勤務を続けたい」「現在の勤務先において、移住先に近い事業所に異動して勤務を続けたい」を合わせると、6割超が現在の勤務先のまま、地方移住を検討していることが明らかとなった。
「ワーケーション」という言葉については、85.8%の人が見聞きしたことがあると回答した。しかし、実際にワーケーションの経験者は6.6%にとどまっていて、ワーケーションの認知は広がっている一方、実施には大きな障壁があることが浮き彫りとなった。
コロナ禍で地方移住やワーケーションへの関心が高まっている背景から、新しい人事施策として地方移住やワーケーション制度を検討する企業が増えてきている。また、地方自治体も地方創生を期待し、移住者を迎える施策を積極的に展開している。
今回の調査で地方移住やワーケーションのニーズの多様化や、テレワークの継続を求める声が浮き彫りとなった。今後、企業や地方自治体は多様なワークスタイルのニーズを把握した上で、長期的な対応を継続していくことが期待されている。
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