小田急、2022年3月にダイヤ改正 主な変更点は?減便の傾向に

» 2021年12月17日 19時50分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 小田急電鉄は12月17日、2022年3月12日にダイヤ改正を行うと発表した。コロナ禍での利用ニーズを踏まえ、全体的に減便を基本とした改正となっている。新ダイヤでは新宿方面から「片瀬江ノ島」への直通列車(特急除く)が廃止となり、「藤沢」での乗り換えが必要になったほか、「経堂」が終日での急行停車駅に“昇格”する。

photo 主な変更点

新宿方面から「片瀬江ノ島」への直通運転を廃止

 現行ダイヤでは、平日は新宿方面から片瀬江ノ島への直通便はないものの、土日祝は「快速急行」として直通便を1日38本運行している。新ダイヤでは、休日も藤沢での乗り換えが必須になる。藤沢〜片瀬江ノ島間は1時間当たり6本から5本に減便した上で、原則、各駅停車による折返運転のみに変更する。ただ、江ノ島が観光地であることを考慮し、利用者が多い、休日の午前9〜12時、午後4〜6時は1時間当たり1本増便し、現行ダイヤと同本数で運行する。

photo 竜宮城をモチーフにした片瀬江ノ島駅(出典:藤沢市観光協会の公式Webサイト
photo 藤沢駅での運行変更について

「経堂」が終日で急行停車駅に

 新ダイヤでは、帰宅ラッシュ時間帯での運行を大幅に見直す。目玉の一つが、「経堂」を終日の急行停車駅にする点だ。これまで同駅では平日下りの午後6時から9時まで急行が停車していなかったが、終日の停車により、次の急行停車駅である「成城学園前」までの区間で準急・各駅停車との接続を改善し、利便性を向上させる狙いがある。

 帰宅ラッシュの時間帯では、午後6〜9時頃の新宿発の各駅停車を1時間当たり8本から6本に、東京メトロ千代田線からの直通列車も8本から6本に、それぞれ減便。千代田線からの乗り入れ便に関しては各駅停車を廃止し、「準急」に統一する。

 新宿〜代々木上原、代々木上原〜向ヶ丘遊園、向ヶ丘遊園〜新百合ヶ丘、新百合ヶ丘〜町田、多摩線の日中ダイヤでそれぞれ1時間当たり3本の減便になるなど、今回のダイヤ改正は全体的に減便の傾向が強い。18年3月に複々線化を開始し、増便を進めてきた小田急にとっては“後ろ向き”の改正となる。

 一方で、着席ニーズの高まりを踏まえ、朝方ラッシュピーク時間帯に都心方面への直通列車の運転本数を36本から38本に増便。減便一辺倒ではなく、メリハリを利かせたダイヤ改正という見方もできるだろう。

photo 平日の日中ダイヤの変更点
photo 平日の夜ダイヤの変更点

 同社によると「これほどまでの大規模なダイヤ改正は複々線化した18年3月以来4年ぶり」という。同社は、22年3月上旬ごろに公式Webサイトで新ダイヤを公開する予定。 沿線の利用者は、生活への影響を各自確認する必要がありそうだ。

photo 小田急の最新の通勤車両「5000形」(出典:同社公式Webサイト)

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