SBI証券、「米国株強化元年」を宣言 信用取引を7月に開始

» 2021年12月24日 10時45分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 SBI証券は米国株サービスを強化する。2022年を「米国株式サービス強化元年」と位置づけ、信用取引の開始などサービスを拡充するほか、各種のキャンペーンを実施する。

 特に20代の顧客において、米国株売買代金が直近2年間で17倍に急増。初めて米国株を取引する人も同期間で6.7倍に増加した。「初めて国内株式を取引する人とほぼ同人数が、投資対象として米国株式を選択して投資デビューしている」(SBI証券)。こうした強いニーズに応える。

 22年7月には、米国株式の信用取引を開始する。これは日本証券業協会の「外国証券の取引に関する規制」の改正を受けたもので、施行日の7月1日に合わせて用意を進める。22年春には、米ドルや香港ドルなど主要10通貨についてほぼ24時間取引可能とし、リアルタイムでの売買を可能にする。

 また、米国株取り扱い銘柄数も拡充し、現在の4800銘柄超から12月中には5000銘柄に増やす。

米国株取引強化に伴って実施する主なキャンペーン(SBI証券)

 株式相場が好調な中でも、特に米国株の上昇は著しく、主要株式指数であるS&P500は年初から27.7%上昇。同期間で日経平均が5.6%の上昇にとどまったのとは対照的だ。またコロナ禍を経て注目が集まる世界的なネット企業大手は米国に集中しており、個人投資家の間での米国株への関心が高まった。

 米国株取引の増加はSBI証券だけではない。競合の楽天証券では、20年6月から21年6月にかけての1年間で、米国株の取引件数は3.5倍に増加、顧客数も3倍に伸びた。米国証券子会社を通じて、米国株取引を提供するマネックス証券では、直近2年間で、株式売買手数料収入に占める米国株の割合が、5%から20%超まで増加、日本株に続く主力商品となってきている。また、松井証券でも新たに米国株取引サービスを、22年2月に開始する予定だ。

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