緑茶の「朝ボトル」を販売して、なぜ売り上げが1.8倍になったのか週末に「へえ」な話(3/4 ページ)

» 2021年12月25日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

売り上げは半減、しかし……

 ここまで書いていて、気になったことがある。夏は暑いので、冷たいお茶を飲みたくなる。しかし、冬はどうか。水を入れる朝ボトルは苦戦するのでは? と思って、売れ行きを聞いたところ「1日10本ほど」だという。もともとの母数がそれほど大きくないが、ピーク時と比べて半減している。

 季節的なことが影響しているので、こればっかりはどうしようもない。松本さんも「売り上げは鈍るだろう」と予想していたが、ちょっと違う見方をしていた。朝ボトルの売り上げは確かに半減したが、別のモノが売れ始めたのだ。

 では、何が売れているのか。大きくわけて2つのパターンがあって、1つめはボトル(1980円)を手にして、定期的に茶葉(100グラム1080円、1回5〜8グラム使用)を購入するケース。もう1つは、ティーバッグ(20個入り1080円)を購入するケースである。

 なぜこうした現象が起きているのかというと、ボトルを購入した人たちは、それを飲んで「おいしく」感じた。「休みの日も家で飲みたいな」「もっと飲みたいな」といった気持ちが高まって、“いつでもどこでも派”が増えているようなのだ。

大福250円
伊勢茶羊羹250円(Cafe))、500円(Store)

 これまでになかった商品を販売することで、固定ファンが根付きつつあるわけだが、今後はどのような展開を考えているのだろうか。松本さんに聞いたところ、「レンタカー」「ホテル」「観光」というキーワードが出てきた。

 レンタカー業者と提携して、ボトルを利用してもらう。クルマは必ず返却されるので、ボトルもそのときに返してもらうという流れだ。ホテルについては、部屋に入るとお茶を用意しているところが多い。そのお茶を朝ボトルにしてもらうことを考えている。

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