ホームベーカリーは家電量販店で現在、1万円以下から購入できる。その市場で、パナソニックが5万円を超える高級モデルをラインアップし続けている理由の一つが、毎日使ってもらえる商品にするために“市場を作っていきたい”という意識だ。石毛氏は「100万台と言わないまでも、コロナ禍のブームで終わらせたくない」と語る。
そのために力を入れているのが、メニュー開発や使い方の提案といったサービス面の拡充だ。例えば、日清製粉共同で開発した低糖質のパンミックスと、21年モデル「SD-MDX4」の専用メニューにより、糖質60%オフの低糖質パンが簡単に焼けるようになった。
こういった健康を重視したヘルシーなパンは、ボソボソとして食感が良くないことも多いが、この低糖質パンは通常の食パンと変わらない美味しさだ。
「これからは、我々が積み重ねてきたテクノロジーを、広く伝えていきたいと考えています。パナソニックのベーカリーはちょっと高いですが、その分、加熱技術やプログラムなどがしっかりと作られています。
そうした技術により、すでに生食パンやお餅、さらに生チョコも作れますし、新しいメニューや流行が来たときにキャッチアップして、調理することも可能になっていきます。いろいろな下ごしらえができる調理家電だということも広げていきたいですね」(石毛氏)
さらにパナソニックでは調理家電のInstagramを運用するほか、ライブキッチンなど、さまざまなファンサービスを行っている。そこでもホームベーカリーを積極的に紹介している。「オーブンレンジがメインですが、ベーカリーも『ビストロ』になったのでそこでの発信もしやすくなりました」(石毛氏)
新しい生活様式の中で注目を集めているホームベーカリー。パナソニックでは、自社製品の販売促進はもちろんのことながら、さらにブームを終わらせることなく定着させることで、市場全体の拡大と活性化を目指している。
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