コロナ禍で品切れ続出、パナのホームベーカリーが5万円でも人気なワケ家電メーカー進化論(6/7 ページ)

» 2021年12月27日 07時00分 公開

 「ホームベーカリーでの調理工程で重要なのが、練りと発酵です。それを実現するのはモーターなのですが、実はパンケースのちょっとしたリブ(パンケースの突起)の形状にも設計技術が詰まっています。

 このリブがないと生地が引っかからないため、上手に成形できません。また当社のホームベーカリーでは内部と外部の温度を計測して、気温や季節に応じて発酵時間を調整できるプログラムも入っています。これらによって毎回安定して美味しくパンが焼けるようにしています」(石毛氏)

美味しいパンを作るために、パンケースの突起部分「リブ」にも、技術が詰まっている

 同社ホームベーカリーの最大の特徴は、イーストの自動投入機能だ。一般的なホームベーカリーは最初に小麦粉や水とともにイーストを混ぜてしまう「直種法」を採用するが、パナソニックのホームベーカリーでは、水と小麦粉などを先に混ぜてからイーストを加える「中麺法」を採用。これにより製品はコストアップしてしまうが、過発酵や発酵不足が起きにくく、年間を通して美味しくパンが焼けるというわけだ。

 また、同機能を利用することでナッツやレーズンなどの具材も自動で投入がが可能。具材を手動で投入する場合はホームベーカリーのそばにいる必要があるが、まかせっきりにできる点が人気となっている。この自動投入機能はパナソニックが特許を持っていたため、他社製品との大きな差別化要因になっている。

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